今世紀において地球温暖化は明白な事実となり、頻発する集中豪雨、干ばつ、土砂災害など、自然災害の急増が世界規模の生態系の崩壊の進行を示しています。その中で世界の森林の破壊がその大きな原因であることは明らかです。
屋久島の自然の中での生活し、そこで森林管理に携わて来た山本明男は、屋久島の原生林が生き続けている姿を原風景としてきました。山本は、国内各地の山が荒れる姿を見て、「炭を焼いて、自然を元に戻したい」と思い立ち、30年にわたり平炉による粉炭製造の研究を積み重ねてきました。山本が設立した有限会社山本粉炭工業(山仙:商標登録第5114261号)は、粉炭によって、自然と人間の営みの調和を取り戻し、豊かな地域、社会を実現し、地球生態系を守ることを基本理念としています。
因みに木炭の規格における粉炭とは、粒径が5mm未満のものを言い、「その他の木炭」、つまりは黒炭、白炭、備長炭、オガ(白・黒)以外の木炭と定義されています。粉炭が長い間「その他の木炭」に分類されて扱われてきたことは、木炭界で日陰の存在であったことを示し、従来の主な用途も土壌改良資材、建築物の床下調質資材などでした。
しかし近年においては、バイオ炭の農地施用による炭素貯留の役割が新たに注目され始めました。このことは、粉炭に新たな大きな役割「炭素貯留を通して地球環境問題解決の一翼を担うことが期待される」が生まれました。
現実に、2019年(平成31年)に京都で開催された国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)総会は、これを正式に地球温暖化緩和の方法として位置づけました。また、農林水産省は2021年(令和3年)に「みどりの食糧システム戦略」を策定し、2050年までに農林水産業のCO2ゼロミッション化の実現などを目指すとしています。
こうした世界や国内の動きの中で、山仙が開発した基本特許第5117548号「炭化物生成窯」をベースとする「作業車両走行路付きプール式平炉(特許第5560383号)は、令和3年度中国地方発明表彰において最優秀賞の文部科学大臣賞を受賞しました。
山仙が「粉炭が地球を守る」とのスローガンを掲げて創業当初より長年にわたり研究開発してきた粉炭製造技術は、あらゆる人が取り組むことが出来る技術であるため、技術移転の研修会も事業者のみを対象とせずに広く受け入れています。
さらに、山仙の粉炭製造技術と技術研修の取り組みはSDGsの17の大きな目標全てに繋がっております。

